わたしは、難しい患者だったらこまったなーという内心の不安をかくしながらスチュワーデスの後についていきました。途中の通路でも注目されているようで(本人がそう思っているだけか)、酒に酔った赤い顔をしているかもしれないから、ここは威厳を持った表情をせずばなるまいと訳の分からないことを考えていました。

スチュワーデスに、今はどんな状態ですかねと歩きながら尋ねた。

少し、良くなられたみたいです。

そうですか。それはよかった。(それじゃあ引き返しますというわけにはいかないか)。

ようやく最後部の座席までたどり着くと、30歳台くらいのイラン系の彫の深い、あごヒゲを生やした男性が通路に仰向けに寝そべっていました。

意識はしっかりしているようで眼も開けているので、ひとまず安心。脈を取り血圧がしっかりしているのを確認し、四肢の麻痺や痛みもないようでした(言葉は通じない!!)。

スチュワーデスに今は問題なさそうだから、しばらく様子見ましょう(やぶ医者の常套句)と話して、場を去ることにしました。

やれやれ、これで面子を保って、子供達の前に帰れると思ったらほっとしました。

お父さん、今診てきたよ。大丈夫だよ。おれは名医だよ!!ははは。

家族を連れての旅もこりゃ大変だ。