■航空券の値段
 航空券というものは奇妙なものである。それは値段があってないような現状だからである。というよりもこの規制撤廃、大競争時代にそんな状態があたりまえかもしれないが、アメリカでは2ヶ月前と1ヶ月前と2週間前と2日前に買うのでは大幅に値段が違っていた。だから、正規の値段があるようでなさそうで旅行会社に聞かないとその値段が分からない。もちろん日本と違って航空会社によってもかなり差がある。

■格安
 AB-roadというリクルート社から毎月出ている分厚い雑誌がある。この本を見るといわゆる格安航空券を扱っている旅行会社のチケット情報が満載されている。HIS、IACEトラベル、マップなどの大手から恐らくは机と電話だけしかないようなミニ旅行社からの”格安チケットあり”の情報が踊っている。かつては格安航空券を扱っている会社はどこもかしこも一人か二人のスタッフしかいない細々とした会社ばかりであったが、日本人の海外旅行者が飛躍的に増えて、かつ若い人たちで海外旅行を何度も経験したりリピーターが添乗員付きのツアー旅行に見向きもしなくなり自分がチケットとホテルを手配して自由に海外を旅行することを覚えてからこれらの旅行社の飛躍がはじまった。いまや日本国内のみならずアメリカやヨーロッパにも支店をもっているのは驚きである。それはそうだろう、正規料金で40万円ほどの北米やヨーロッパ行きの往復チケットがAB-roadを見るとピークシーズンである5月の連休や夏休み、お正月を除けば10万円前後で購入できるのだ。誰だって安い方を買いたい。さらに乗り心地といざというときの保証を気にしなければアエロフロートロシア航空を使えばヨーロッパへはモスクワ経由でもっと安く行ける。
 考えてもご覧なさい。日本から飛行機に乗せてもらって映画を見て、好きなだけワイン、ウイスキー、コーラ、ジュース、コーヒーを飲んでそれで10万円で北米やヨーロッパへ行くことができればこれはいい値段だと思えるではないか。高い日本国内の航空券から比べればまさにリーズナブルな値段である。そして、同じエコノミークラスでも隣りのせ生き運賃を払ったおじさんと格安チケットを買った若者の間に機内の待遇に差がつくことはないのであるから。この値段の格差を知ったらおじさんは怒り出すであろう。たしかに、オーバーブッキングなどであぶれる可能性もあるがそんなときは乗ってしまったほうが勝ちである。
 格安航空券会社のなかでも大手はたくさんチケットをさばけばそれだけ航空会社に顔がきき、さらに安く仕入れることができるので特定の航空会社を勧めることがあるが、まあ、安ければいいか。

■これでお盆もGWも
では、ピークシーズンにはうまい手がないのであろうか。それがある。奥の手がある。アメリカにある日本のこれらの旅行会社の支店では”呼び寄せ便”なるチケットを売っている。アメリカではお盆や5月の連休は関係ないから通常の季節と同じく10万前後でチケットが手に入るので、これを現地の友達や親戚に買ってもらって日本へ送ってもらい、堂々と乗ればいいのである。以前、ソウルや香港発の安いチケットを売る会社があり、空港で搭乗拒否されて問題になったことがあったが、呼び寄せ便の方が合法的であるように思えるのである。
 このようにして格安航空券が一般化すると、ビジネス客を除いても誰も航空会社の窓口やJTB、近畿日本ツーリストで正規の料金を払って航空券を買わなくなった。この事態に運輸省や大手旅行社は顔が青くなった。お客さんはみんな格安航空券を売っている中小の旅行社から購入するからである。こそで彼らは値段を大幅に下げた正規航空券を売り始めた。しかし、しかし、いくら空気を運ぶよりは安くてもお金をもらって人間を運んだ方が良いといっても、いったい、チケットの原価はいくらだろうかといささか心配になるのは人間が真っ当な証拠であろうか。
 さらにお金はないが時間がたっぷりとあり、各地を旅行したい貧乏学生にはいい方法がある。それは最終目的地までできるだけ経由地を通っていくことである。アメリカを例にとれば最終目的地ニューヨークに行くのにまずシアトルに降り、ロス、サンフランシスコ、シカゴ、ワシントンそしてニューヨークと渡っても同じ料金でいくことも可能であるから不思議である。ただ、これはアメリカ系の航空会社をつかった場合の話であり、日系の航空会社ではアメリカ国内を乗り継いでいくのは別料金を取られて著しく不利である。
 海外へ行くときは、航空券を買う前によく勉強しなければ損をする!!