このエッセイは院長がアメリカ時代の思い出をかってに書きためておいたものです。
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航空券の不思議11/2更新 ■航空券の値段 航空券というものは奇妙なものである。それは値段があってないような現状だからである。というよりもこの規制撤廃、大競争時代にそんな状態があたりまえかもしれないが、アメリカでは2ヶ月前と1ヶ月前と2週間前と2日前に買うのでは大幅に値段が違っていた。だから、正規の値段があるようでなさそうで旅行会社に聞かないとその値段が分からない。もちろん日本と違って航空会社によってもかなり差がある。 ■格安 AB-roadというリクルート社から毎月出ている分厚い雑誌がある。この本を見るといわゆる格安航空券を扱っている旅行会社のチケット情報が満載されている。HIS、IACEトラベル、マップなどの大手から恐らくは机と電話だけしかないようなミニ旅行社からの”格安チケットあり”の情報が踊っている。かつては格安航空券を扱っている会社はどこもかしこも一人か二人のスタッフしかいない細々とした会社ばかりであったが、日本人の海外旅行者が飛躍的に増えて、かつ若い人たちで海外旅行を何度も経験したりリピーターが添乗員付きのツアー旅行に見向きもしなくなり自分がチケットとホテルを手配して自由に海外を旅行することを覚えてからこれらの旅行社の飛躍がはじまった。いまや日本国内のみならずアメリカやヨーロッパにも支店をもっているのは驚きである。それはそうだろう、正規料金で40万円ほどの北米やヨーロッパ行きの往復チケットがAB-roadを見るとピークシーズンである5月の連休や夏休み、お正月を除けば10万円前後で購入できるのだ。誰だって安い方を買いたい。さらに乗り心地といざというときの保証を気にしなければアエロフロートロシア航空を使えばヨーロッパへはモスクワ経由でもっと安く行ける。 考えてもご覧なさい。日本から飛行機に乗せてもらって映画を見て、好きなだけワイン、ウイスキー、コーラ、ジュース、コーヒーを飲んでそれで10万円で北米やヨーロッパへ行くことができればこれはいい値段だと思えるではないか。高い日本国内の航空券から比べればまさにリーズナブルな値段である。そして、同じエコノミークラスでも隣りのせ生き運賃を払ったおじさんと格安チケットを買った若者の間に機内の待遇に差がつくことはないのであるから。この値段の格差を知ったらおじさんは怒り出すであろう。たしかに、オーバーブッキングなどであぶれる可能性もあるがそんなときは乗ってしまったほうが勝ちである。 格安航空券会社のなかでも大手はたくさんチケットをさばけばそれだけ航空会社に顔がきき、さらに安く仕入れることができるので特定の航空会社を勧めることがあるが、まあ、安ければいいか。 ■これでお盆もGWも では、ピークシーズンにはうまい手がないのであろうか。それがある。奥の手がある。アメリカにある日本のこれらの旅行会社の支店では”呼び寄せ便”なるチケットを売っている。アメリカではお盆や5月の連休は関係ないから通常の季節と同じく10万前後でチケットが手に入るので、これを現地の友達や親戚に買ってもらって日本へ送ってもらい、堂々と乗ればいいのである。以前、ソウルや香港発の安いチケットを売る会社があり、空港で搭乗拒否されて問題になったことがあったが、呼び寄せ便の方が合法的であるように思えるのである。 このようにして格安航空券が一般化すると、ビジネス客を除いても誰も航空会社の窓口やJTB、近畿日本ツーリストで正規の料金を払って航空券を買わなくなった。この事態に運輸省や大手旅行社は顔が青くなった。お客さんはみんな格安航空券を売っている中小の旅行社から購入するからである。こそで彼らは値段を大幅に下げた正規航空券を売り始めた。しかし、しかし、いくら空気を運ぶよりは安くてもお金をもらって人間を運んだ方が良いといっても、いったい、チケットの原価はいくらだろうかといささか心配になるのは人間が真っ当な証拠であろうか。 さらにお金はないが時間がたっぷりとあり、各地を旅行したい貧乏学生にはいい方法がある。それは最終目的地までできるだけ経由地を通っていくことである。アメリカを例にとれば最終目的地ニューヨークに行くのにまずシアトルに降り、ロス、サンフランシスコ、シカゴ、ワシントンそしてニューヨークと渡っても同じ料金でいくことも可能であるから不思議である。ただ、これはアメリカ系の航空会社をつかった場合の話であり、日系の航空会社ではアメリカ国内を乗り継いでいくのは別料金を取られて著しく不利である。 海外へ行くときは、航空券を買う前によく勉強しなければ損をする!! |
航空会社の無料航空券10/2更新 ■マイレージ客ばかり? 近年、アメリカの航空会社はいわゆるマイレージサービスなる珍奇なものを発明した。そして各会社間の競争やお客の囲い込みが激しくなった。すなわち、これは飛んだ距離が一定のマイル数に達するとその距離に応じて無料航空券をくれるというまことにお客にとってはうれし涙が出てくるようなお話である。飛んだ飛行距離は積算してくれるわけだからしたがって同じ航空会社ばかりを使えばそれだけたくさんマイル数が稼げるというわけである。 例えば、東京ーニューヨーク間の距離は6745マイルであるのでこの間を往復すると1万3490マイルになる。そこで東京ーニューヨーク間を2回往復すれば2万6千マイルを超えることになる。アメリカ系の航空会社なら大体2万マイルを稼ぐとアジア往復のチケットをくれることが多い。さらに、ビジネスクラスに乗れば50%割り増しマイルをくれたりするのだから1回東京ーニューヨーク間をビジネスクラスで往復すればそれだけでアジア往復のチケットが手に入るという、うそのようなお話しである。 最近はこれに加えてホテルやレンタカー、買い物をしてもマイル数に換算して稼ぐことができるというクレジットカードも登場してきている。何とかして自社の飛行機に乗せたいという涙ぐましい努力である。 アメリカの航空で観察しているとユナイテッド航空はどこでも大勢のお客がカウンターで列を作って搭乗手続きを待っている。飛行機に乗ればどれも満員である。さぞかし儲かっているんだろうなと思うがこれがどっこい経営は苦しいという。どうもマイレージサービスで発行した無料航空券を使ったお客さんばかりを運んでいるのではないだろうかと勘繰りたくなる。 ■日系かアメリカ系か、サービスかマイレージか これに比べはっきりいって日系の航空会社は割高でケチである。旅行会社のチケット料金表を見るとJALやANAは他会社に比べ大体数万円割高になっている。そして、格安航空券で搭乗してもいわゆるマイレージサービスに繰り入れてくれないのである。したがって日系の航空会社に乗る人は機内で日本語を話したい人、若くきれいなスチュワーデスが目当ての人、会社の金で乗れて自分の懐は痛まない人、愛国者などなどである。若いリピーターの旅行社はスチュワーデスが定年間近のおばさんばかりでサービスが悪くてもアメリカ系の航空会社を使うようである。 ドクトルカメさんもユナイテッド航空を使っていた。これは別に食事がいいからでも(今年乗ったときは食事の質があきらかに落ちていた)、スチュワーデスが美人ぞろいというのでもなく(定年後に再就職したようなスチュワーデスばかりである)、機内設備がいいというのでもなく(故障してても修理すらしない)ひたすらマイレージを稼ぎたいためである。 何かのボーナスマイルプレゼントなどというのにあたると、アメリカ本土1往復でもう1回往復できるような無料航空券がもらえるマイレージが稼げるため、飛行機は満員でもこの中にお金を払っているお客がいるんだろうかといささか心配に思える。 跳んで求んでも航空会社はただの客ばかり運んでいる!! ■税務 ビジネスクラスやファーストクラスのお客はマイレージを稼ぎやすいため、会社の出張でしょっちゅう外国へ行っている人は楽しみが多い。マイレージがたまって夏や冬は家族旅行がただでできるようになるからである。さらに気をきかす人はこの無料航空券を他人に売ってお金に変えるようである。その証拠に他人名義の無料航空券は使えませんというはり紙を見ることがある。 さらにがめついのは税務署である。アメリカにいたときアメリカの税務当局は会社の出張で稼いだこの無料航空戦を給与外収入だとして課税しようとしていた。 ■世界一周〜 ドクトルカメさんがアメリカへ渡ったとき選んだ航空券はユナイテッド航空の世界一周ができるビジネスクラスのチケットで4000ドルであった。この金額で後戻りしなければ1年間有効でどこで降りてもいいし、しかもビジネスクラスに乗れ、とてもリーズナブルだと思われた。 ドクトルカメさんはアメリカからの帰りはヨーロッパに渡って帰ろうと思っていたからこのチケットを買ったのだ、もう1つの理由は、このチケットで世界一周をすればつぎにアジア往復の無料航空券がもらえてただの旅行ができると考えたからであった。 そしてドクトルカメさんはヨーロッパに寄って帰ってきました。 そのころ日本ではドクトルカメさんの帰りを皆首を長くして待っていたそうです……(笑) |
『アメリカの日本料理』9/2更新 ■アメリカ人の日本食生活 日本料理がアメリカでこんなにポピュラーになっているとは日本を出る前は想像もしなかった。 もちろん、その代表はすしである。恐らく、半分以上のアメリカ人はすしを食べた経験があるのではなかろうかとさえ思われるのである。ボストンの中心部にある日本料理店は日本人ビジネスマンや日本からの観光客もあてにしており、客の日本人の割合も70〜80%である。 しかし、およそ、観光客の行きそうもない郊外の小さな町にも日本料理屋が確かに存在し、すし、てんぷら、焼き鳥、唐揚げなどは食べることができるのであった。 ■すし屋 ドクトルカメさんの住んでいたブルックラインの町にも30人ぐらいがはいるTakesimaというのれんを掲げたすし店があったが、そのほとんどの客がアメリカ人だったのには驚き桃の木山椒の木であった。それも、あのアメリカ人が上手に箸を使って、醤油をつけて食べていたのは二重の驚きであった。感心して「ここの店は本なんかにはのっていないけど、すごくはやってますねー」と板前さんに聞くと、「うちは宣伝なんかする必要はないね」というそっけない返事であった。 一般に日本料理はタイやイタリアンレストランにくらべてやはり高く、ここのすしやでも安いもので10〜15ドルほどしていた。これにサービス料15%、税金5%を足せば安くはない。あまり高いものは食べないアメリカ人がすしやを訪れるというのは、健康食であるというのが1つのトレンドになっていたのを通り越して、もう、すしはアメリカ人の食生活の一部になってしまっているのかもしれない。 この分でいくと、21世紀にはアメリカ人のことだから、すしはハンバーガーと同じ”アメリカ開国以来あるアメリカの郷土料理”だと信じられるようになるに違いない。その兆しに、ドクトルカメさんがあるホテルのすし屋で板前さんに話しかけたところ、日本語が通じなかった経験があった。おそらく中国人ではないかと思われた。そりゃそうだろう、すしさえ握れるならなにも人件費が高く、英語のしゃべれない日本人を雇う必要はない。最初は日本人と見分けがつかない東洋人が雇われるが、そのうち、メキシコ人やブラックアメリカンがすしを握るようになり、「Hei.Rasshai」と声をかけ、ロング万の英英辞典にはMaguroやUmi,Kappaが解説附きでのるようになるのに違いない。 ■アメリカ式てりやき...Teriyaki ドクトルカメさんがボストンに着いたのは冬も真っ最中の2月であった。車もなく、日本料理店も知らないドクトルカメさんはアメリカへ着いてから2週間ほどいつもハンバーガーやチキン、インスタントラーメンを食べていてそろそろ醤油味の日本食が恋しくなっていた。 そんなある夜、ケンブリッジ通りを5分ほど登ったところにOsakaエクスプレス,Teriyakiと名付けたレストランを見つけた。これはしめたぞと思い、中へ入ってみると、スタッフは東洋系ではあるが明らかに日本人ではなく、言葉からベトナム系の人かと思われた。まぎらわしい看板をかけるなと腹が立ったがこの際仕方がない、外は凍えるほど寒いし、おなかもすいている。 メニューのなかにUdonと書いてあるのがあったので早速それを頼むと、出てきたのは、どんぶりではなく、細長いコーラを入れるような容器であり、中には醤油とはちょっと違った味付けのスープが入っており、たしかにUdonが入っていた。ちょっと、最初はためらったが、なんせ、久しぶりのうどんである。窓際に座って、あー、ボストンにきてしまったんだなー、日本の皆は今頃、どうしているんだろうなどとひとり感傷にふけりながらありがたく食べたのであった。しかし、その後ほかのアメリカ人の注文するのをみていると、どうも野菜と鶏肉を鉄板の上でジュージューといためて白いごはんの上にかけたものが人気があり、確かにおいしそうであった。そこで、ドクトルカメさんもまねしてそれを注文して食べたところ、たしかにてりやきの味がしておいしく、さらには白いごはんが食べられるのが何とも嬉しかった。 アメリカでTeriyakiとは”てりやき風味鳥野菜炒め、ライス添え”のことであって、日本のとはちょっと違うが、Tryしてみられるのをドクトルカメさんはお薦めする。しかし。逆に考えれば、これが”てりやき”と信じたアメリカ人が日本へ来ててりやきを注文すると”ほんとに、これ、てりやき?”と思うかもしれない。 |