故郷自慢

 

昨秋、わが故郷、岐阜県加茂郡八百津町のことを思い出させる二人の人物が世の話題になりました。
一つは映画『杉原千畝』です。杉原千畝氏は八百津町北山で生まれました。わたしの父、亀井秋彦のおじさんに当るそうです。映画では杉原千畝氏の半生を唐沢寿明が見事に演じていました。唐沢寿明は英語は上手だったなー。杉原氏は最初はハルピンにいたのですが、私の父が彼を頼ってハルピンに行ったときはもうすでにリトアニアに赴任してしまっていたそうで、残念だったと言っていました。電話も簡単にできない時代だったんでしょうね。杉原氏は大変、ロシア語がうまく、つい立てに隠れて彼がロシア語を話すと、ロシア人が聞いてもネイテイブが話しているのと全く遜色がなかったそうです。確か、ロシア語はなかなか難しい(佐藤優氏もそう言っていました)そうなのです。私の父もロシア語を勉強していたようなのですが、ついぞ、発音を聞いたことがありません。この私は英語も満足でありません。
 杉原氏は情報収集能力が大変高く、ソヴィエトへの赴任を望んでいたそうですが、危険人物と見なされてソヴィエト側が忌避したそうです。諜報員のような立場での外交官だったんでしょな。八百津には杉原千畝記念館があります。

 もう一人は下町ロケットの池井戸潤氏です。確か10年ほど前、八百津の実家へ帰った折り、近くに住んでいるおじさんの家に寄ると、「康ちゃん、今度、おじさんの兄弟の子で、慶応を出た潤くんが作家としてデビューするそうなので、応援してやってくれ」と言われました。その時は今のような売れっ子作家になるとは夢にも思いませんでした。若いうちに親しくしておけばよかったと後悔です。

 岐阜県は飛騨地方と美濃地方に大きく二つに分かれます。飛騨地方はほとんど山で被われていますが、その中に有名な高山市があります。美濃地方は名古屋と一体になった濃尾平野(美濃と尾張)の一角を占めています。丁度、濃尾平野が途切れて飛騨地方の山になっていくところに八百津町はあります。木曽川が流れており、かってはここから尾張へ木曽川を使って筏を組んで材木を流すことで栄えていました。このため、人口1万人あまりの小さな町ですが、いまでも造り酒屋が3軒、みそ醤油醸造所が2軒、酢を醸造しているところが1軒あります。おいしい和菓子屋さんが4軒あり、とくに秋になると絶品の栗きんとんが店頭に並びます。皆さん、岐阜県加茂郡八百津町にふるさと納税して、この栗きんとんを是非ゲットしてください!!女性が喜ぶこと間違いなし。