わたしが癌免疫療法を始めた理由

平成23年11月よりANK自己リンパ球免疫療法(ANK療法)をはじめました。

じつはいままで、何人か癌の末期の方がこられました。何も楽しみがないので、せめてしみを取って心を晴らしたいと訴えてこられました。わたしは癌には何もしてあげられなかったのですが、自分自身が癌になったことを考えても、何か、副作用の少ない治る治療法はないものかと考えておりました。
そんなとき、ふと出会ったのがこのANK法だったのです。もちろん、万能ではありませんが、抗がん剤と違って体を傷つけることなく、完治する可能性を秘めたものでした。いわゆる癌難民といわれる方に希望を持ってもらいたいと思い、カメイクリニックで始めることにしました。準備を整えて、さあ、と思った矢先、なんと患者第一号は私の兄だったのです。胃がんと大腸がんが見つかりました。このANK療法が効果があればいいなと願っていましたが、今年で7年目を無事迎えられました。

 

当院での治療の流れ

体内の免疫細胞の中で実際にがん細胞を攻撃するのはNK細胞とT細胞の2種類(他は両者の派生形とか中間的なもの)です。当院ではがん治療として2種類の免疫細胞療法を実施しています。NK細胞を用いるANK療法とT細胞を用いるCTL療法です。

患者さん本人の血液からリンパ球を分離し、京都にある専用培養センターで培養し、患者さんの体に点滴で戻すものです。
沢山の免疫細胞を集めるために患者さんの血液を少しずつ取り出して専用の装置を通してリンパ球成分を分離して採取します。延べ5~8リットル(5000~8000ml)の血液を体の外に循環させることになりますが、血液の成分の大半はそのまま体内に戻しますので血液が減ってしまう心配はありません。リンパ球も血液の外に沢山いますのですぐに全身から血液に補充されます。 

当院ではリンパ球を分離採取する専用装置を設置しておりませんので、1クールにつき1回か場合によっては2回、京都にある他院でリンパ球を採取していただく必要があります。

分離したリンパ球は人の手で京都にある専用細胞培養センターに運びます。 
専用細胞培養センターでは一度に1クール分か2分の1クール分の培養を行い、治療日程に合わせて点滴できるように凍結保管しておきます。そのため、抗がん剤等で免疫細胞が傷む前に培養を済ませておき、抗がん剤治療終了後や、抗がん剤の休薬期間を利用して培養細胞を点滴で戻すなど自在のスケジュール調整が可能です。
培養にかかる期間は原則3週間です。患者さんの状態によって2週間から4週間の間で培養期間を調整することがあります。詳しくは個別に医師から説明させていただきます。

治療当日にその都度、点滴用の培養細胞が専用細胞培養センターから届きます。培養後の細胞は丈夫になりますので人の手で運ぶ必要はありません。
1クールは原則12回の点滴を週2回のペースで、カメイクリニック高岡院あるいは富山院にて行います。患者さんのご容態やご都合、他の治療の日程などによって投与間隔を調整したり、一回の点滴細胞数を分割するなど、実際の治療スケジュールは医師と相談しながら決めていきます。
治療後は一時的に高い発熱や倦怠感を伴いますので、ご家族の方などとご一緒にお越し下さい。

CTL療法について

CTL療法を行うにはANK療法よりもいくつも条件があります。T細胞はNK細胞よりも簡単に遥かに早いスピードで増えるのですが、ほとんどのT細胞が、がん細胞を攻撃しません。そこで手術後の生きている腫瘍や腹水中を浮遊するがん細胞、生きているものが無理な場合は標本化された腫瘍など、ご本人のがん細胞を標的として頂き、標的がん細胞と「型が合う」特殊なT細胞だけを増殖させます。生きているがん細胞が入手できれば実際にがん細胞を攻撃することを顕微鏡で確認できるのですが、死んでいるがん細胞は抗原性が低下し、ペプチド等の人工抗原では実際にがん細胞を攻撃するT細胞を誘導できませんので、当院では基本的に生きているがん細胞が入手できる場合にCTL療法をご検討頂いております。但し、T細胞は少しでもがん細胞の型が違うと見向きもしませんので、もう体内には同じ型のがん細胞が残っていないことがあるかもしれません。また、T細胞はがん患者さんの体内に戻すとすぐに強い免疫抑制(がん細胞が免疫細胞を眠らせるために強い抑制をかけています)によって活動しなくなりますので単独で投与しても効果はないことが米国政府研究機関NIHなどの研究によって明らかにされています。そのため、CTL療法は免疫刺激をかけていくANK療法と同時にしか行いません。CTL療法の培養費は無料です。

副作用について

ANK療法の場合、点滴の度に発熱があります。40度位になることもありますが発熱の仕方は人によって、また同じ人でもその時々によってまちまちです。ただし初回点滴の際に強い反応が出やすく、発熱の波が何日か続くこともあります。2回目以降は点滴した日の内に熱が下がる場合がほとんどです。
人によって激しい悪寒がくることがあります。悪寒はすぐに治まります。全く悪寒がない方もいらっしゃいます。
その他、風邪をひいた時の諸症状に似た症状など様々な免疫副反応がでることがありますが、これらは体内に戻された免疫細胞が放出する免疫刺激物質によるものです。いずれも一過性のものです。解熱剤は免疫を下げる作用がありますので可能な限り使用せず、水分補給をしっかり行いながら保冷剤のようなものを使って体を冷やします。

CTL療法の場合、T細胞(特にCTLと呼ばれる攻撃型のT細胞)には免疫刺激能力がほとんどなく、免疫副反応もないと考えられますが、実際にはANK療法と同時に行いますので、ANK療法と同じ副作用とお考えください。

ANK療法の科学的背景  ⇒ リンパ球バンクHP

費用と流れ

 ①初診相談 11,000円
  ANK療法を決断なさると・・・
     ↓
リンパ球点滴培養費 1クール(12回分)4,378,000円
 ※事前にお支払いただくことになります。

 ②京都の病院にてリンパ球採血
  ・採取費用 約17万円
     
 ③リンパ球の培養 (約2週間かかります)
     ↓
 ④当院にて週2回を6週間ー計12回 点滴をおこないます
  ・点滴費用 1回5,500円

 ※料金は税込表示となっております。

ANK療法の特徴

ANK細胞は、がんの部位、原発性、転移、再発を問いません。
(脳など、一部ANK細胞が届きにくい部位もあります)

ANK療法は患者さん本人のリンパ球を用いますので、正常細胞を傷つけません。

長期にわたる副作用がないので、普段通りの生活が可能です。
 ただし、治療後一時的な高い発熱などの副作用があります。

術後の再発予防も治療対象です。

ANK療法ではリンパ球の中のNK細胞を活性化しながらNK細胞だけを増殖させます。人体から採りだした「野生型」のNK細胞の活性を高めれば攻撃しないがん細胞がみつかっていません。(研究用に特殊な選別をしたNK細胞は攻撃しないがん細胞がいくつか知られています)静脈点滴により体内に戻すことでNK細胞が直接、がん細胞を攻撃することと、大量の免疫刺激物質を放出することで体内に存在する活性が下がっているNK細胞に活性化を促すことを期待して治療するものです。その代わり、免疫刺激による発熱などの免疫副反応を伴います。

 

 

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