プラセンタ注射

プラセンタってなに?

胎盤のことをプラセンタといいます。母親の胎内で胎児と母体をつなぎ胎児を育てる臓器ですが、もともと女性の体に備わっているものではなく、受精卵が子宮内壁に着床して初めてつくられる臓器であり、役目を終えると出産とともに母体外に排出される短期的な臓器です。受精卵は、わずか10か月も短期間に重さ約3kgもある赤ちゃんへと成長しますが、この驚異的な生命を育むのが胎盤の役割です。

胎盤の薬効は世界中で古くから着目され、とりわけ滋養強壮薬、若返りの薬として珍重されており、多数の漢方薬等にも配合されてきました。

プラセンタ注射とは?

胎盤(プラセンタ)から抽出されたエキスの有効成分を注射する治療です。

当院では、メルスモン®(メルスモン製薬)を用いています。

国内の、安全なヒト胎盤を原料とした注射薬で、多種のアミノ酸を含有しています。

効果

  • 更年期障害の改善
    のぼせ、冷え、不眠、イライラ感、頭痛、疲労、肩こり、腰痛などの症状を緩和する
  • 美肌効果
    美白作用、保湿作用、細胞の増殖再生作用、コラーゲンの生成促進作用など
  • 疲労回復効果
  • 薄毛の改善
  • 注射部位の疼痛、発赤、硬結、過敏症(発熱、発疹、搔痒感)等が起こることがあります。

安 全 性

  • 胎盤1つずつについてウイルス検査を実施し、HBV、HCV、HIV陰性であることが確認された安全な胎盤を原料としています。さらに、製造の最終段階に121℃30分間の高圧蒸気滅菌を実施しており、ウイルス・細菌の感染防止対策をとっています。これまで、本剤によるウイルス感染の発生報告はありません。
    これまで、本剤によるウイルス感染の発生報告はありません。
  • 変異型クロイツフェルト・ヤコブ病(vCJD)に対する安全性
    1980年代~2004年頃まで英国を中心に狂犬病が流行し、その肉の摂取が関連すると思われる変異型クロイツフェルト・ヤコブ病(vCJD)の発症が報告されました。メルスモン薬剤は、この狂牛病が流行した時期に、これらの地域に滞在経験がある方の胎盤は原料として使用しておりません。さらに、製造工程におきまして、塩酸による高熱処理を実施しているため、ホルモン及びたん白質は分解されています。

献血制限及び臓器提供制限について

世界では輸血や移植による感染が疑われる報告もありますが、これまで、メルスモン注射剤によると思われるvCJDの感染報告はありません。
しかしながら、理論的なvCJD等の伝播の危険性を完全には否定できません。このため、人胎盤由来医薬品の使用者は、献血はできません。
臓器提供は原則として控えることが求められています。

概要

  • 未承認医薬品等であることの明示、入手経路等の明示:
    本治療に用いる薬剤は、美容目的での使用については、国内で承認されていません。
    国内の医療用医薬品卸売業者を通じてメーカーから入手します。
  • 国内の承認医薬品等の有無の明示:
    ヒト胎盤抽出物を一般名とする医薬品は国内で承認されておりますが、承認されている効能・効果及び用法・用量と当院での使用目的は異なります。
  • 諸外国における安全性等に係る情報の明示:
    現在重大なリスクは報告されておりませんが、ⅴCJD(変異型クロイツフェルトヤコブ病)の伝播の倫理的なリスクは否定できません。
  • 未承認医薬品等は、医薬品副作用被害救済制度の救済の対象になりません。

施術の流れ

  • プラセンタ注射薬を下腹部または左右どちらかの腕に皮下注射します。
    1回の治療でも何らかの効果を認めますが、1週間に1度の治療を続けることで効果が維持できます。